蛍袋(ホタルブクロ)
秋の七草キキョウも咲き出した
別名で提灯花と言われるホタルブクロが咲き出した。山道でも渓筋辺りの陽のあまり射さない場所を好むようで、そんなところで観た時には「提灯花」の方が似合う。ホタルを花の中に入れて遊んだからホタルブクロと言われているが、提灯の古名を「火垂(ほたる)」と呼んでいたからという説もある。他にツリガネソウ、トックリバナ、アメフリバナ、ポンポンバナ、ホタルグサなどよく特徴を捉えた地方名が楽しい。
火垂説になると野坂昭如の「火垂るの墓」が頭をよぎる。彼の戦争体験に基づく実話だったらしい。短編は読んでいないがアニメ化された映画に何度も涙したことを思い出す。未来の子どもたちにこんな悲しい体験はさせてはならない。文章を書いている今もサクマドロップ缶から、残り少ないドロップの音が聞こえてきそうだ。
ホタルブクロはキキョウ科で花が咲くまでの若葉や新芽は食用になる。花も開花期に摘み取り甘酢漬けや酢の物、さらに花サラダにして食することが出来る。
「渓筋に 提灯花の 灯をともし」