里道に咲くアカショウマ

　雨予報が出ていたが何とか降らずにもってくれそうだったので、久し振りに散歩に出た。何日振りになるだろうか。回遊魚のクロマグロと同じ様に一ヶ所に留まっておられない性質を持つ「回遊ロク」なのだ。
　僕だけの秘密の散歩コースを歩くことにした。短い里道だが殆ど利用されていない道だ。この道には山に行かないと自生していない植物たちに出合える。春にはニリンソウが咲き、チゴユリやミヤマカタバミも咲いてくれる。昨日は陽の射さない暗い道にアカショウマが纏まって咲き出していた。ショウマと名のつく植物もユキノシタ科だったり、サラシナショウマ属イヌショウマがキンポウゲ科だったりしてややこしい。薬用になったり食用になったりするものがあるが、間違ってキンポウゲ科の方だと困るので手（口）に入れないようにしている。
　散歩していると思わぬ発見があったり、自然からのプレゼントに巡り合ったりする。犬も歩けばを実感できる。口に入れても大丈夫なキクラゲを見付けた。乾燥キクラゲは中華料理でお馴染みだが、生のキクラゲはプチプチとした弾力が何とも言えない。予定が無ければ熱湯に潜らせて刺身で戴きたいところだが、夕飯は焼きそばと決めていたので具材として使って貰った。漢字表記で「木耳」と表すが生キクラゲはまさに耳の形だし、感触も食感も耳たぶと同じだ。

「束の間の　梅雨の休みに　犬歩き」