ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

信天翁(アホウドリ)

             長谷川 博 東邦大名誉教授

         鳥島のベースキャンプ(一人で1~3カ月滞在)


 1949年に地球上から絶滅したと宣言されたアホウドリが、伊豆諸島最南部の火山島「鳥島」でわずかに生息が確認されたのは1951年だった。当時京大の大学院生だった長谷川博(現・東邦大学名誉教授)さんは、生物多様性を維持したいとアホウドリの保全研究にのめり込まれ、28歳から70歳までの42年間鳥島に通い続け、50羽のアホウドリを5000羽に繁殖するまでこぎつけられた。それらの活動内容は度々テレビでも放映されてきたのでご存知だと思う。
 もともと警戒心の薄いアホウドリは人間を恐れないために、羽毛採取のために500万羽以上がやすやすと乱獲され、地球上から姿を消してしまった。10羽ほどの生息が鳥島で確認されたので、イギリスの海洋鳥類学者などの援助もあり、長谷川さんは保護活動に取り組むが、当時は野生生物保護に研究費を出すという価値観はなかった。デコイ(実物大模型)の配置など色んな試行錯誤を重ね、安定した繁殖活動に至るまでの苦労話は、実際の体験談なので惹きつけられる。美しい大型海鳥アホウドリを、長崎ではオキノタユウと呼んでいたので、彼もその名前を普及したいと提案されている。
 オキノタユウ(アホウドリ)の最大の天敵は人間である。今なお繰り返される環境破壊、更に大きなテーマの地球温暖化も人間の経済優先意識がもたらせた結果である。核の廃絶も叫べない日本の指導者に、地球環境を守れという発信は出来ないだろうから、心ある小さな声から世界に発信して行かなければならない。


「海鳥も 台風の目に たじたじと」

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