渡りの季節
帰り支度中のツバメの集団
アオダイショウの脱け殻
花壇でもフジバカマが開花しているが
タイトルは秋の季語にもなっている「帰燕(きえん)」を使おうかと思っていたが、春にも燕が帰って来たという意味で使われることを知り、日本の農耕生活と共にあったツバメへの心情をおもんばって、渡りの季節としてみた。季節の移ろいを言い表すのに「七十二候」という暦が使われていたが、春には「燕きたる」で春の到来を歓び、中秋には「燕さる」でもの悲しさを言い表しているように思える。
ツバメは夏に日本で過ごす「夏鳥」として知られている。春になるとフィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシアなど温かい南の国から日本に渡ってくる。人家などの軒先に泥とワラや枯れ草で巣作りし、子育てした後、秋に南の国に引き返す。寿命は7年ぐらいと言われているので、6回ぐらいは日本と行き来しているのだろう。森昌子さんが歌った「越冬ツバメ」というのもいるらしい。
最後まで残ったのかなと思われるツバメの集団が、帰り支度をはじめているのか電線に群れている。多分若ツバメの集団だろう。まさに新大阪駅で九州方面行の列車を待っているような雰囲気に見える。来年も無事に帰っておいでと見送ってやりたい。
立ち寄りを心待ちしているアサギマダラも2000kmもの旅をするが、ツバメも2000~5000kmもの旅をする。日に日に秋が深まっていく。「こう雁きたる」と言う時期になってきたので入れ替わっても冬鳥が飛来してくる。
「電線に 今朝はまだ居た 去る燕」