小葉三葉躑躅(コバノミツバツツジ)
雄しべが10本
蜜標も鮮やかなモチツツジ
自生桜が終わりを告げる頃になると、山ではコバノミツバツツジが美を競うように咲き出す。関東ではあまり馴染みがないかもしれないが、関西周辺の山では春山の楽しみになっている。特に六甲連山では至る所に咲き乱れ、芦屋市の市花にもなっている。我らが阪神ターガースが優勝祈願をする廣田神社の境内には、桃源郷を彷彿させるコバノミツバツツジが天然記念物になっている。それに酔いしれて今年は奮わないのかもしれない。花が終わると酔いから覚めて、六甲おろし♫が鳴り響くことだろう。
ツツジ科ツツジ属の落葉低木でミツバツツジの仲間である。雄しべの数で見分けることにしている。普通5本の雄しべで構成されているが、仮雄しべと言うべき短い雄しべが5本着いているのがコバノミツバツツジである。群生地では山道の両側から枝が張りだし、花のトンネルを作ってくれる。ツツジ属の中では早い開花で葉の展開前か、同時に花を咲かせるので一際艶やかである。その後オレンジ色のヤマツツジが全山を彩っていく。
少し大型のモチツツジもこの時期から咲き出してくる。こちらも自生ツツジとして山のアクセントになっている。
「山道の 何処が区切りか ツツジ道」