猩猩袴(ショウジョウバカマ)
まだ冬越しロゼット葉が赤いショウジョウバカマの開花
間もなく開花の蕾たち
刈りこんだ山道
申し訳程度のコバノミツバツツジ
我が家の裏山には500年前に戦城があったらしい。能勢にはたくさんの城跡や狼煙場、さらに陣屋まであり戦国時代には、歴史に残る合戦が繰り広げられた。歴史好きの妻に付き合わされ町内の城跡巡りに歩かされた。そんな妻が地元の方たち「片山城跡まで登ったことがありますか?」などと投げかけたところ、是非登ってみたいと言うことになり、新参者が村の人を案内する羽目になってしまった。
我々だけならブッシュをかき分けて登れば良いのだが、皆さんを案内するとなるとそうはいかない。登山口から生い茂っていた萱を刈りながら、道作りをしなければならない。仲よくしている地元の男性にも協力して貰い、頂上までの山道を整備して来た。それでも子どもの頃にツツジの花見に登ったことがあるなどの話も聞かせて頂いた。鹿と猪しか住んでいない荒れた城山にも、コバノミツバツツジが申し訳程度に咲いていて、ご苦労さんと迎えてくれた。
帰り道には今か今かと待っていたショウジョウバカマが花を咲かせ始めている。常緑の多年草だからスプリング・エフェメラルではないが、毎年開花を楽しみにしている花である。能に登場する中国の架空の動物「猩猩」に準えられているのが何とも楽しい。何でも大酒飲みらしいので花色も紅いとのこと。身内のような親しみがわく。
ショウジョウバカマの葉の部分が袴とされているが、よく似た葉っぱを持つノギランがあるので紛らわしい。地面に付いた葉っぱから根付くなど変わった戦略も持つ植物でもある。過ってはユリ科だったが最近シュロウソウ科に再分類されている。
「草刈りの 褒美に咲きし 春の花」