半纏木(ハンテンボク)
昨年同時期に山田公園にユリノキを訪ねた様子を紹介した。しかし、皆さんを案内した時には僅かに花が残っていただけだったので、来年こそはと思い日程をずらして再び訪問した。ところが今年は花の数が少なくて、皆さんに感動を与えるほどには咲いていてくれなかった。ユリノキの命名は大正天皇が皇太子の頃、小石川植物園で観られた時に名付けられたとされている。北米原産で日本には明治初期に渡来してきた。現地ではチューリップツリーと呼ばれている。
今回は敢てハンテンボクという名前で紹介した。葉っぱの形がまさに半纏に似ているので別名でハンテンボクと呼ばれている。シンメトリーな形で、若葉の時にはそれが閉じられた状態で発芽してくる。なんとも可愛い葉の展開の様子が観察出来る。花も綺麗だが葉っぱも捨て難い装いで楽しませてくれる。
昨年も紹介したが、高木になるのでインディアンはカヌーとして利用したらしい。花からは多量の蜜が採れるので、蜜源樹としても利用されている。新宿御苑発のユリノキの種は全国に頒布され、今や公園樹として定着している。
「百合の木の 開くを待たず 薄みどり」