藪萱草(ヤブカンゾウ)
明日開く位の蕾が食べ頃のヤブカンゾウ
土手道で毎年見掛けるヤブカンゾウが咲き出した。愛用図鑑ではユリ科になっているが、最近ではワスレグサ科に再分類されている。もともと古名が「忘れ草」と言われていたので妥当な分類だと思う。中国原産で渡来時期は奈良時代以前とか、有史以前とか言われ、日本に馴染んでしまった古い帰化植物である。この花を着物の紐に付けておくと嫌なことを忘れさせてくれるらしい。そこからワスレグサとなったようである。
花姿は八重でごてごてした感じだからあまり好きな部類ではない。ニッコウキスゲやユウスゲなどは好きな花なので、一重のノカンゾウも出合うと嬉しくなる花である。とは言うもののヤブカンゾウの蕾には何時もお世話になっている。春の若葉の時にも野草料理として利用させて貰うが、花の時期にも蕾を採取して甘酢漬にしたり、煮びたしにして楽しんでいる。風邪、不眠症、利尿に効くらしいが、そんな事とは関係なく食用として利用している。今年はまだ試したことのない蕾の天ぷらにチャレンジしようと最盛期を待っている。花は一日花で次から次へと開花していく。花茎には数個の蕾を付けている。
「憂きことも 忘れまいぞえ 忘草」