秋野芥子(アキノノゲシ)
この花色が何とも言えないアキノノゲシ
アキノノゲシが咲き出した。好きな野の花なので毎年この季節に紹介している。同じ文章ではつまらないので、今日は過去3回の紹介文を再録したい。別に手抜きでもないことを断わっておきたい。3年分を探しだす手間暇の方がもっと大変だったから。
<2018・9・3>
妻への遺言で「僕が死んだらこの花を棺に入れて欲しい」と頼んである。妻曰く「だったら秋に死んでね」だって。野菊などは小説に登場するが、秋の野芥子は見つからない。風に揺らぐ姿が何故か夢二の絵を連想させる。その雰囲気が良い。花色も淡黄色なのがよい。この植物の分布は山渓「野に咲く花」では日本全土と記されているが、史前帰化植物で大陸から渡って来たのだろう。昔から若芽や若葉は食用として利用され、救荒植物としても栽培されていた。レタスやサラダナの仲間である。キク科だが頭花は舌状花のみで構成されている。
昔ウサギを飼っていた時に、乳草がウサギの好物だと教えられたのを思い出す。アキノノゲシはウサギの食草としては、他のノゲシと比べて柔らかな葉や茎を持つので一番良いのだろう。
<2017・9・18>
アキノノゲシが咲き出しました。大好きな花で、僕が死んだらこの花を棺に入れてと妻に頼んでいます。じゃあこの時季を選んで亡くなってねと言われています。春の新芽や若葉は山菜になるようですが、花が咲かない時期に見付けられません。多年草なら判り易いが1~2年草というから探せません。花言葉が「控えめな人」というもの何となくわかります。この花に出合うと夢二の絵を思い出し、更にモジリアーニまで辿り着きます。何故か妻に無い雰囲気を求めているロクです。
<2016・9・8>
過去に3回もアップしているアキノノゲシです。「僕の棺に入れて」と云う話は妻の仲間にも行きわたっているようで“正ちゃんの好きな花”と云う事が知れ渡っています。春の若葉は山菜になるようですが、花を付けていないのでよく判りません。他にヨメナなどあるので、わざわざアキノノゲシを求めなくってもいいかいう状態です。ただ早春や日陰の若芽はレタスのようにサラダ感覚で食べられるようです。
ロクがアキノノゲシを好きなのは、淡い花色と舌状花ばかりで儚げな雰囲気だからです。以前にも触れていますが、何故か夢二の世界とダブるのです。水彩画とかボタニカルアートで描きたいものですが、その才能を持ち合わせていませんので……。
「秋野芥子 揺らぎに強さ 秘めて咲き」