一閑張(いっかんばり)
一庫公園を拠点に活動する「ひとくらクラブ」と言うサークルで、昨年に続き一閑張を楽しんで来た。
初めに提供者から一閑張の由来についての説明を受ける。飛来一閑が持ち込んだ技法で、和紙の製品を丈夫で長持ちさせる方法として柿渋でコーティングするというものだ。彼の名前から一閑張と名付けられているが、農「閑」期の仕事として伝承されて来たとか、一「貫」目の重さにも耐える丈夫さなどの意味も込められているようだ。今でこそ工芸品として生き続けているが、昭和初期までは番傘や団扇など庶民生活の必需品でもあった。
そんな伝承工芸を皆さんに作って頂こうという試みである。出来るなら骨組なども自分で作ったものを使いたいが、時間の制約などもあり、100均で購入した笊や籠、宣伝用に配られる団扇の骨組みなどに和紙を張り付け、天日で乾かし、柿渋を2~3回塗り込んで完成である。和紙の間に押し葉などを配置したりして、皆さん個性豊かな作品に仕上がった。ロクも手作り品を用意したが、一閑張にしづらい形だったので柿渋だけを塗布し、不本意だが100均製品で甘んじた。柿渋も濃淡2種類あり、手抜きになるかと濃い方を使ったのが失敗で、せっかくの書の良さが埋もれてしまった。これも経験である。
「豊年を 一閑張に 思い込め」