ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

招霊の木(オガタマノキ)

               春と冬が隣り合わせ


 香りの高い中国原産のカラタネオガタマの方が馴染みあるが、オガタマノキは正真正銘の日本固有種である。モクレン科日本自生種では唯一の常緑樹だからトキワコブシとの別名でも呼ばれる。モクレン科特有の芳香を持つが、高木になるので鼻を近づけて香りを楽しむ事もあまり出来ない。長居植物園のモクレン科エリアでは各種が観察できるようになっていて、オガタマノキも高木の枝を引っ張れば何とか写真まで撮れる。京都の神社には樹齢800年の木があり天然記念物に登録されている。
 名前の由来は神道思想の「招霊(おぎたま)」から来ている。先日紹介した香具山にある天岩戸神社。天岩戸隠れをした天照大神を呼び出すために、ストリップ踊りをした天細女命が手にしていた木とされる説もある。一般的に神前に玉串として供えるのに榊が用いられるが、榊の自生しない地域では、その代用としてオガタマノキが用いられていた。
 日本在来の植物たちは歴史とともにあると言うことを思い出させてくれる。“元始女性は太陽であった” と紹介した平塚らいてふのおおらかな言葉が蘇る。八百万の神を持つ日本人の精神構造が何処へ行ってしまったのだろう。


「花と雪 咲くか降らすか せめぎ合い」

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