地獄の釜の蓋(キランソウ)
地面を覆い尽くすキランソウ
ウバユリも葉を展開してきた
ヤマネコノメソウ
何ともおどろおどろしい別名を持つキランソウが各所に咲いている。1cm程の花はシソ科特有の辰弁花で、ジュウニヒトエやニシキゴロモの雰囲気を持つ可愛い紫花だが、地面に匍匐するように咲いているので目立たない。今回はあえて花の美しさを強調せずに「地獄の釜の蓋」らしく撮ってみた。世界中を震撼させているコロナを意識したからである。
名前の由来は、春の彼岸に地獄の蓋が開くと言われている頃、いち早く咲くと言うことで名付けられたと言うのが通説である。また茎葉が地面を覆い尽くし蓋をしているように見えるからとも言われている。コロナを地底に閉じ込めてくれないだろうか!
そんな別名を持つキランソウだが薬効に優れ、土佐では「医者倒し(イシャダオシ)」とも呼ばれている、と牧野富太郎は紹介している。民間薬として古くから使われてきた証だろう。咳・痰、下痢、はれもの・できもの、虫刺され、外傷などの薬効があり、山歩きをしているときに虫に刺されたりしたら、生葉をすりつぶして塗布すればいいらしい。
「紫を まき散らしつつ 土手青む」