蛇の寝ござ(ヘビノネゴザ)
ヘビノネゴザ群生地
ハクサンハタザオ
ヘビノネゴザとハクサンハタザオが共生
青木間歩と瓢箪間歩
少し移動も緩和されたことだろうと、買い物圏内にある兵庫県猪名川町の多田銀山まで足を伸ばした。何度も訪れているところなので散歩の延長ぐらいの気持ちで訪れた。まだ施設は閉館されたままである。一般公開されている間歩(坑道)も閉ざされて、入ることが出来ない。何人かの歴史好きにすれ違うぐらいで貸し切り状態の散歩を楽しめた。
今回の目的の一つにヘビノネゴザの群生地を紹介したいという思いがある。なんとも変わった名前だが、シダ植物で重金属を含む土地に好んで生えている。植物などは鉛などの重金属は有害物質で、そんな環境下では通常生きていけない。ところがヘビノネゴザはあえてそんな場所を選んだ。他の植物たちが敬遠する場所を、独特の進化で有害物質を緩和させながら生きるという戦略である。同じように鉱山跡などに生えているのはハクサンハタザオと言うアブラナ科植物である。こちらはよく見かけるので、見つけたら、昔この辺りには鉱山があったのかも知れないねと紹介してきた。
この2つの植物が鉱山跡に生育することから、山師がそれを知っていたのではないだろうか?多田銀山に瓢箪間歩というのがあり、原丹波・原淡路という親子の山師(鉱山技師)が鉱脈を見つけ、秀吉から褒美として馬印の千成瓢箪を与えられたと言い伝えられている。ヘビノネゴザを見つけて「ここ掘れワンワン」と言ったのではないだろうかと、勝手な憶測をしている。
「趣味高じ 蛇の寝床を 覗くとは」