皆さんが先生
ラン科の花から花粉塊を取り出す
岩の隙間に根を下ろすアオヤギバナ
小鳥の雛が餌をねだっているような花姿のアケボノシュスラン
秋晴れで絶好の観察日和になった昨日は、トンボのメガネ例会日でお馴染みの武田尾廃線コースを楽しんできた。JR西宮名塩には15人が集まってくれた。顔ぶれを見渡すと、このコースに精通されている方が参加してくれたので、すかさず案内役を引き受けて貰うことにする。彼女もまだ確認できていない貴重種がたぶん見つかるはずだと、嬉しい予告の挨拶で皆さんの期待も膨らむ。以前の観察会でネジバナ観察時にランの花粉塊の話をしてくれた仲間が、花屋でゲットしたラン持参でかけつけてくれた。他に「歩く植物図鑑」と尊敬している仲間まで参加してくれたので、3人の先生に任せてのスタートとなる。ロクの出番は殆どない。とりとめのない話をして笑いを取る役目に徹した。
購入してくれたランの花をそれぞれが受け取り、爪楊枝で花粉塊を探し、それが昆虫の頭に付くという、ラン特有の子孫を残す戦略を実験しながら学ぶ。まさにシニア自然学校である。先日の明日香村でもアレチヌスビトハギの柱頭が、爪楊枝の刺激によって飛び出すのを確認して貰っているので、何が飛び出すのか興味津々である。トンボのメガネ観察会では爪楊枝は必需品ですよ!と茶々を入れるのを忘れない。
目指す貴重種は絶滅危惧種Aランクのアオヤギバナである。渓流の岩の隙間などに生育するアキノキリンソウの仲間である。確かに花はよく似ている。ただ生息場所は伏せておきたい。ザイルがなければ辿り着けないような岩場にひっそりと命をつないでいる。
同じく貴重種のアケボノシュスランも観察することができた。なんとも言えない花姿である。写真を撮っているのを、他の人に見られないようにしたかったが、皆さん撮影に夢中になりそこまでの気遣いが出来なかった。
「秋うらら 愛しき花に 巡り会い」