立松和平の「良寛」を眉間に皺を寄せながら読んでしまったのが数日前だった。数ある著書の中でワイルドものを読んでみたくなったので棚を探したが、小さな図書室なのでスペースが無いのか道元関係の本しか並んでいなかった。もう堅苦しい宗教臭のするものはこりごりだと彼を見限ることにした。
　新刊を中心に最近揃えた本のコーナーで、クラシックの入門書が目についた。10年ほどもコーラスを続けているので、ベートーヴェン、モーツァルト、バッハなどの作品も歌ってきたが、あまり知識も無く、惰性で練習してきたことに思い至り、これではダメだと遅まきながら手に取ってみた。ベットの友にする本も必要である。浅田次郎の「あやし うらめし あなかなし」がなんとも妖艶な雰囲気がしたので借りることにした。1話を読んでみたが、短編集なので息抜きとしては手頃なページ数になる。
　最近は散歩道でブログに紹介したい植物に出会わない。黄葉も終わり葉を落とし始めている。それがまた風情あるものだが、上手く写真に収められない。ふと目を凝らすとユキヤナギが紅葉し、そこに花を1輪2輪つけている。ガマズミの仲間たちも葉を落とし、小鳥たちに啄んで貰うのを、今か今かと待っているようだ。どうも赤い実は小鳥たちの好物では無いらしく、最後の最後まで残っていそうな気がする。

「読書癖　冬の夜長の　息抜きに」