車輪梅(シャリンバイ)
洞の向こうに未来が
外出したのは5日振りぐらいだろうか。最近は自粛ムードのせいか誰も誘ってくれない。本来なら忘年会も何ヶ所かで開催されるが、今年は我がサークルも含めて全て中止になった。仕方なく「忘年会へ」という呼びかけも遠慮して、少人数の食事会ということで集うことにした。場所探しにも気を配らなければならない。ほぼ屋外に近いテラスを見付けて昼食懇親会とした。たまたまの冬日和だったので、寒さも感じることなくビールを飲めた。
食事前に散策した庭園には季節外れのシャリンバイが花を付けている。別に驚くことはないのだが、花と実を同時に観察出来る機会はあまりない。シャリンバイはバラ科の低木で、沿岸部に自生しているのをよく目にする。開花時期は5月頃で、ウメに似た5弁花を付ける。葉が枝先にまとまっている様子を車輪に準えたとのこと。10月にはブルーベリーに似た黒紫色の実を付ける。マルバシャリンバイと言う種類もあるが、公園に植栽されているのはどちらだろう。
鹿児島の奄美大島では、シャリンバイの樹皮を染料として大島紬を作るらしい。大島紬と聞けば三沢あけみの「島のブルース」が頭をよぎる。歌謡曲と言うよりも民謡の部類にまで昇華した楽曲である。
「花も実も 季節違えた 冬日和」