能勢の地に移り住んで20年ほどになるが、あまり初詣や恵比寿詣ではしたことがない。京都府立植物園に「私の七福神」を訪ねた流れとして、地元の神社で催される十日戎祭りに初めてお邪魔してきた。はたして恵比寿さんが鎮座しておられたのかな。
　日本三大えびす神社としても有名な西宮神社にはお参りしたことがある。お参りといっても、参道におびただしいほど並ぶ露店を冷やかし歩くのが好きなだけだった。別にお参りして何かを祈願するつもりはさらさらない。子どもの頃から夜店や縁日歩きが好きだった名残だろう。寅さんに巡り会える楽しみが子ども心を捉えていた。
　延喜式にも記される地元神社では、毎年十日戎の祭りは続けられているらしい。色々と振る舞いもあったようだが、コロナで自粛されているとのことだった。周辺地域の氏子総代さんたちが運営に当たられており、顔見知りもいたので普段はお賽銭など入れないのだが、ご苦労様という気持ちでチャリンと音のする程度を投げ入れてきた。お賽銭に見合うだけの御神酒を頂き、正装した神主から打出の小槌を振って頂き、神仏に頼らないロクも厳かに頭を下げてきた。露店も出ないローカルな十日戎の祭りだった。
　因みに三大えびす神社とは西宮神社（兵庫）、今宮戎神社（大阪）、京都ゑびす神社（京都）であり、商売繁盛・漁業の神・五穀豊穣の神として西日本中心に根付いている。

「おおきにな　笑顔振りまく　えべっさん」