友人からはLINEに楽しい動画や画像が送られてきて、笑いや癒やしを提供してくれる。数日前に送られてきた画像には「これ何？」と度肝を抜かれた。小猿が木に集まっているように見えるラン科の花だった。送り主に問い合わせると京都府立植物園に咲いているとのことである。本人も送られた画像をシェアしてくれただけで、是非実物を観てみたいと仰る。日程の関係でご一緒できなかったが、他の仲間が付き合ってくれることになったので、急遽北山まで足を伸ばしてきた。
　台風余波が心配だったので、ゆっくり園内を観察する余裕がない。今にも雨が降りそうな中を、観察テーマを絞って回ることにした。もちろんメインは「お猿さん」である。ラン科植物は温室栽培されている。話題の植物には説明板が取り付けてあるので、直ぐに探し出せる筈だと高をくくっていた。ラン植物展示エリアにそれらしいものが見つからない。前もって下調べをしてくれた赤とんぼさんが、出口近くに展示してある件の植物を見付けてくれた。既に最盛期を過ぎているが、辛うじて残してあるという感じで、どう見てもお猿さんに見えない。説明板には小鳩に見えるところから「鳩蘭」と呼ばれているらしい。パナマの国花と知ることが出来た。ブルガリアに薔薇を訪ねたり、スイスにナルシスを訪ねたように、パナマにペリステリア エラタを求めて旅に出ようかなと極楽トンボのつぶやきが。
　植物園では秋の草花以外に副目的のオニバスとナンバンギセルも訪ねてきた。

「温室で　野分を避けし　珍種蘭」