きのこの世界に
目から鱗が落ちる講座内容
ドローン活躍中
今年度の地球環境『自然学』講座は「食」を絡めたテーマで環境問題を観ようと進められている。昨日は「きのこの森林生態系内での役割」というテーマで大阪産業大学の赤石 大輔 准教授が講師だった。昔からキノコは好きな分野で、菌類同好会の観察会にも度々お邪魔させて頂いたほどである。図鑑片手にキノコ探しをして、食べられるキノコ採りをしたのも遠い昔の思い出として残っている。
キノコの森林内での役割は「分解者」だという程度しか理解が出来ていなかった。あとは食べられるキノコが如何ほどあるのかと言うレベルで接してきた。ところが生命の源まで関わりがあるという奥行きの深い話は目から鱗の新しい知識だった。
アカマツとマツタケのように樹木との共生はよく知られているが、土中の菌糸体は様々な植物とも関わりを持ち、森林内でネットワークを張り巡らせている。コナラなどとの共生関係を持つテングタケの菌糸はキンランとのつながりも持つらしい。キノコの種類で近くに有るだろう貴重植物たちを探すよすがにもなるかもしれない。我々は目に見える「子実体」をキノコと呼んでいるが、キノコの本体は目に見えない菌糸体である。その菌糸体が森林の植物たちをつなぎ合わせている。虫たちとの共生も盛んなようで、子実体のキノコには各種の虫が食糧として利用したり、住処としているらしい。
同じ菌類仲間である地衣類の研究家としてイギリスの絵本作家ビアトリクス・ポターさんが紹介された。彼女はピーターラビットの作者であり、なおかつ地衣類も研究され、藻類と菌類の共生関係を論文に纏められた。ところが女性と言うことで学会で取り上げることを拒まれた。学問の世界でも女性は差別され続けてきた。約100後に学会から誤りだったとの謝罪があった。そんな話も伺えた意義ある講座内容だった。
「猛暑日に カエンタケでも 炎上し」