植物園の脇役たち
着生蘭のカヤラン
クモにそっくりのクモラン
カヤランとクモランが仲良く
いかにも美味しそうなウスバヒョウタンボク
みんなで味見したカマツカ
背中合わせに花が咲くマルバノキ
神戸森林植物園は木々の紅葉に主役の座を譲り、本来なら主役になれる植物たちはひっそりと冬の到来を待ち、脇役に甘んじているように窺える。金曜日に入園した多くの方々は紅葉狩りを楽しんでおられた。わずかにバーダーさんの姿を散見するのみである。そんな中でトンボのメンバーは脇役たちこそ見落とさないと、7人の目で訪ね歩き、久し振りだねと挨拶してきた。鳥に代って木の実などの味見もしながらの樹種観察である。
そんな脇役植物たちを紹介する。と言ってもほとんどの方々がご存じない貴重植物を確認してきた。是非とも紹介したいのがカヤランとクモランである。同じ樹に寄り添って着生しているのも珍しい。どちらもラン科の多年草で温帯性の着生ランだ。カヤランについては今年のクマガイソウ観察会の時に、ガイドの方に育てている処に案内してもらったりして、どちらかと言えば馴染みのあるラン科植物である。地面に落ちているカヤランを拾って帰り、赤とんぼさんが苔で保護しながら育てていたこともある。
しかし、クモランは更に貴重種で、採取して栽培していると言うのを聞いたことも無い。ラン展でも見た記憶が無いほど珍しい。初夏が開花時期だからその季節に花を見てみたいものだ。
注意喚起の意味も込めて紹介したいのがスイカズラ科のヒョウタンボクである。花はスイカズラに似ているが、真っ赤に熟した実は如何にも美味しそうだが、有毒なので食べないようにして欲しい。何でも味見したい僕自身に言い聞かせている。
「呼ばずとも 冬駆け足で やって来た」