とんど焼き
青竹に挟んで鏡餅を焼く
昨日は区内で「とんど焼き」が計画されていたので、注連縄などの正月飾りを持って駆けつけた。旧村の方たちとの年賀の挨拶も交わしておきたいので、毎年参加するようにしている。今までは雪が舞ったりしていたが、今年は穏やかで風もなく煙がまっすぐに登っていた。書き初めのなかったのが寂しい。
数年前までは小正月(関西では1月15日)に「とんど焼き」が催されていたが、祝日法の改正で成人式が連休になるように換えられてしまい、そのために伝統的な行事までその日程に合わせなければならなくなった。日本古来の伝統を重んじる方たちは苦い顔をされている。そもそも農耕民族は「暦」を頼りにいろんな年間行事を組み込んできた。とんども正月15日と18日に宮中行事として開催されていたものが、民間に受け継がれて無病息災や書の上達などを願う行事として伝承されてきた。もちろん悪魔払いなどの意味合いも込められているので、鏡餅を焼いて神棚に供えたあと、家族全員で頂くとか、灰を持ち帰るなど地方によって様々な風習がある。
「左義長」と言われる行事だが地方によって呼び方は様々である。近畿や中国地方では「とんど焼き」と言うのが一般的だが、「とんど」は関西、「どんど」と「どんと」関東以北で使われている言い習わしである。この微妙な違いが地方の方言などによるものなのか分からないが、言語学的にルーツを調べてみたい気もする。住環境や価値観の変化などから廃れつつある伝統行事である。
「とんど焼き 児らのほっぺを 紅く染め」