神代の世界
伊弉冉神社
伊弉諾神社
蛇つなぎ石
月の誕生石
誕生して幾年経った月だろう
大和三山の一つ香具山は「天」を冠されて万葉集にも数多く登場する、最も神聖な山として古来から崇められて来た。かなり以前に大和三山ハイキングで耳成山~畝傍山~香具山を歩いたことがある。その時には寄り道する機会もなかったので、ただひたすらハイキング道を歩いただけである。今回は冬芽観察をテーマにしていたので、香具山ミニハイキングとして計画した。ところが下見で訪ねた時、あまりにも神話に登場する社や遺物があるのを確認出来たので、せっかくの機会だからとミステリアスなロマンの世界に皆さんを案内してきた。
「古事記」「日本書紀」に登場する天岩戸神社からのスタート。天照大神が岩戸隠れしたとされる巨岩4つが社の裏の斜面に鎮座してある。しばらく山道を登っていくと小さな目立たない社が目に入る。それが伊弉冉(いざなみ)神社である。さらに歩を進めると伊弉諾(いざなぎ)神社に辿り着く。どちらも意識して訪ねないと見落としてしまうほど小さな社だ。下見では訪ねなかった「蛇(じゃ)つなぎ石」も訪ねる。香具山は別名で竜王山とも言われ雨乞い神事も行われていた。その時出てきた龍(蛇)をつなぎ止めたという話になっている。「月の誕生石」というのまである。月が産湯を使った後とか、巨岩の斑点は月の足跡と言われている。最後は締めくくりとして香具山神社を訪ねた。ここには天皇即位の儀式でお馴染みになった「亀甲占い」で用いる「波波迦(ははか)の木」が植わっている。「波波迦の木」とはウワミズザクラのこと。
途中に持統天皇の有名な歌「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香久山」が紹介されている処がある。そこで仲間が披露してくれたのは、持統天皇はカジノ反対論者だったという話。夫が双六に興じていたので、それを戒めたという逸話が残っているらしい。賭博にうつつを抜かさず、しっかり仕事をしないさいと言うことだろう。カジノ誘致を考えている安部や維新に聞かせたい話だ。
「古に いざなうごとき 朧月」