ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

鬼胡桃(オニグルミ)


 ほぼ全国で待ちに待たれたであろう6月1日解禁日である。能勢町でも永らく閉館されていた図書室の利用が可能になった。活字に飢えていたので古い本を物置から探し出し、睡眠誘発用と覚醒時のコーヒー代わりとして、カビの生えた開高健の文庫本を何冊も読んでいた。何十年も前にむさぼり読んだので、殆どが記憶に残っていない。黄ばんだ活字さえ我慢すれば代役は務めてくれた。
 特に何を読みたいという目的もなかったので、本棚のア行で目についた浅田次郎を借りることにした。彼の本もたくさん読んだのだが、本の題名をしっかり覚えていないので、既に読んだ本だったという失敗が過去にある。ぱらぱらっとページをくって大丈夫としたのは「降霊会の夜」という短編集である。多作の彼は博識でジャンルも多岐にわたり、どれを読んでも面白い。かなりの長編小説も手がけられているが、短編にこそ力量が発揮されるとばかりに、えらそうな口実を設けて借りた次第である。
 何時も散歩道として使っている土手道にオニグルミが実を付けだした。まだ若い木なので胡桃を採取できるほどではないが、楽しみの1つになっている。何処から流れてここに着床したのだろうと山並みを目で追い、想いを膨らませる。ケーキやナッツ類に使われているのはカシグルミという種類で殻は比較的に柔らかい。ところが野生種のオニグルミはテコでもペンチでも割れない。それをアカネズミやリスたちは歯で囓って食べる。クマの大好物でもある。胡桃の中では栄養価も味も最高級品である。薬効にも優れ、滋養強壮、せき・たん、しもやけ、円形脱毛症にも効くらしい。樹皮や葉の煎じ液で髪を洗うと黒々とすること請け合い。と隣のおっさんが言ていたかどうか。


「鬼でよし 産毛が守る 子胡桃を」

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