山里の香り
クリ雄花
クリ雌花
例年なら梅雨入りしているはずだが今年はその気配すらない。週間天気予報では明日辺りから雨が降り出し、間もなく梅雨入り宣言が出されそうだ。しかし植物たちは宣言を待たずとも季節の訪れを感じている。クリの花が咲き出し独特の臭いが辺りに漂いだした。能勢に移ってきた時にはむせかえるような臭いに閉口したものだが、最近はこれぞ里山のの臭いとして許容できるまでに慣れてきた。能勢は栗の産地で「銀寄」というブランド栗を産出している。町内では早生を含めて何種類かの栗が栽培されている。
ひもを垂らしたような雄花が特異な臭いを出す。あくまでも「匂い」ではなく「臭い」と言うほかない。雌雄同株なので先端部につく雄花近くの基部に、目立たず緑色の雌花を付けている。雄花が地面に落ち出すと、雌花は次第に大きくなり栗の毬が成長してくる。
クリは葉・毬・樹皮にタンニンを含むのでウルシかぶれや、火傷などに効くようである。浴湯料として使えば皮膚炎などにも効果があるらしい。山でウルシかぶれになった場合は、生の葉をもんでその汁を付ければ応急手当になる。
能勢は縄文遺跡も各種発掘されているが、ドングリに交ざって貴重な栗を保存食としてきた証も残っているのだろうか?栗の産地としてはその辺りも検証するべきだろうと、にわか教育委員会になったり、観光課の職員になったりするロクである。
「栗の花 マスク通して なおも栗」