苗代苺(ナワシロイチゴ)の味見
酸っぱかったナワシロイチゴ
どこか切ないホタルブクロ
このブログでもナワシロイチゴの花は登場させたが、苺の紹介はまだだったように思う。他のキイチゴ類よりも実りが遅く、大量に成っているわけではないので、巡り会う機会が乏しかった。苗代を作る頃に実るということで名付けられたナワシロイチゴ。摘まんでみたものの、甘さより酸っぱさが勝って、2つめまで手が伸びなかった。大量に採取出来ればジャムにでも出来るのだが。
散歩途中に庭先で休んでおられる農家の老婆に出会うことが度々ある。顔を合わすと挨拶して通り過ぎるのだが、数日前からその姿が見えない。ホタルブクロの写真を撮っていたら、お年寄りから昔はアメフリバナと言っていたと教えられた。ホタルの数が減ったなど世間話のついでに老婆の所在を尋ねたところ、儂の女房で数日前に入院したとのこと。お歳を聞くと我々よりも若いという。呆けておられるのかなと一瞬思ったが、生活の重圧が積み重なり老けさせてしまったのだろう。何とも貧しい老夫婦の生活を垣間見て、こんな方たちに手が差し伸べられているのだろうかと、暗澹たる気持ちにさせられた。
好きなホタルブクロだが、野坂昭如の「火垂るの墓」を思い出して切なくなるし、うな垂れて咲く花姿は、農家の貧しい生活がまとわりつく雰囲気まで併せ持つ花である。
「蛍花 足音立てず 野良2匹」