藪萱草(ヤブカンゾウ)
一番大きな蕾だけを採取
岩塩砕きとブレンド
梅雨末期の豪雨だと思うが、それにしても甚大な被害と恐怖をもたらせた。50年に一度だったというが、これからは毎年更新されていくだろう。温暖化の一言で済ませられない地球規模の異変が続いている。被害に遭われた方に哀悼とお見舞いの気持ちを伝えたいが、明日は我が身という危機感を併せ持っている。
濡れても良いかと近くまで出てみるとヤブカンゾウが咲き出してきた。中国原産の帰化植物だが奈良時代以前に渡来してきたようである。ユリ科ワスレグサ属で古名は萱草(わすれぐさ)と呼ばれ万葉集などに詠まれている。「萱草 わが紐に付く 香具山の 故リにし里を 忘れむがため」(大友旅人)この花を着物の紐に付けて憂きことを忘れたようだ。それがワスレグサの命名の由来になった。
一重のノカンゾウもあるがあまり見かけない。八重のヤブカンゾウは暑苦しい雰囲気を持つのであまり好きな花ではない。どうしても厚化粧の小池百合子にだぶってしまう。ところが蕾には素晴らしい薬効があり、風邪、不眠症、利尿作用が顕著で、乾燥させたものを金針菜と呼び保存食としても利用されてきた。毎年咲く寸前の蕾を採取して甘酢で頂いたり、天ぷらにしたり、薄味で煮たものなどを頂いている。
「憂きことを 道連れにして 忘れ草」