セピア色の思い出
なくなったブロッケンのお化け
整理中のセピアファイル
とても外出できない雨の降りようだったので、コロナ断捨離の続きとばかりに古い写真を整理していた。今から数十年前と言えばモノクロ写真の時代で、重いカメラをぶら下げて山に登ったり、スキーに行ったりしていたものだ。出来の良いものだけを引き伸ばし、あとのスナップはL判サイズで残しておいた。そんな写真を処分しようと選っている内に、青春時代の思い出が蘇り、廃棄する気持ちにならなくなった。何よりもセピアに色変わりした写真に魅せられた。季節外れだがミレーの「落ち穂拾い」や「晩鐘」とダブり、♪枯葉♪ のメドレーが流れる。
これからも整理に時間が掛かるだろうが、もう辿れないだろう山々と、過ぎ去った青春の記録として残すことにした。ところが色変わりと共に、そこになければならない気象現象までが、色褪せて消えてしまっている。何度も撮したブロッケン現象である。消えてしまったことでブロッケンのお化けが蘇った。
今朝も秋の野分を思わせる強風が吹き荒れている。窓から田んぼを見下ろすとサギ類やカルガモが採餌にやってくる。彼たちは風や雨が気にならないのだろうか?
「梅雨末期 せめてセピアの 想い出に」