右巻き・左巻き
気の毒な名前をつけられたヘクソカズラ
気の毒ついでのハキダメギク
左右の捩れ方をしているネジバナ
何時も植物観察で悩むのはツル植物の巻き方である。例えばマメ科のフジなどは右巻きか、あるいは左巻きかによって種を同定する決定的な判断基準になっている。ヤマフジは右巻きで、フジ(ノダフジ)やナツフジは左巻きとされている。一般的に時計回りが右巻きとされているが、下から見上げるのか、上から見て判断するのかで真逆になってしまう。サークル仲間から教えて頂いたのは「Z巻き」「S巻き」と言う見方である。これなら一目瞭然である。ツルが右肩上がりの「Z」なら右巻きで、左肩上がりの「S」なら左巻きをいうことになる。
誰が名付けたのか知らないが、なんとも失礼な名前をつけられたアカネ科のヘクソカズラが可愛い花を咲かせている。別名でサオトメバナとも呼ばれるので、そちらに改名すれば良いのにと思う。こちらもツル植物で左巻きだといわれている。これからは「S巻き」と覚えることにしよう。
ラン科のネジバナもよく見かける。花が螺旋状に捩れて咲いているところから名付けられたのは直ぐに判るが、古名で「もじずり」と呼ばれたり、「ひだりまき」とも呼ばれていたらしい。ところが観察してみると、その巻き方は右・左あり左巻きだけではないことが判る。
「捩花も 我が道を行く ゼット・エス」