韮(ニラ)の花
白い6弁花が可愛いニラの花
アキノタムラソウ
シソ科のような花を咲かせるキツネノマゴ
気持ちだけでも秋を感じたいので、近くを徘徊して探し回る。アキノタムラソウは随分と早くに姿を見せているので、ナツノタムラソウかも知れないと思ってしまったりする。見慣れた花なので詳しく「夏」か「秋」かまでは調べていない。キツネノマゴも8月頃から咲き出すが、10月頃まで咲いているので秋の花の範疇だろう。ニラの花が目立つようになってきた。白花なので夏のイメージが強い。花期は8~9月ということだから暦の上では秋に括っても良いのだろう。
さてニラだが手持ちの図鑑では大陸からの渡来説と、日本の野生かもという説がありよく判っていないらしい。いまでも食用・薬用として栽培されている。それが野生化したとも考えられるが、古事記に登場するぐらい位だから在来種かも知れない。ネギの古名は「岐」と書き「ひともじ」と言われていた。一方ニラは「爾良」と表記され二文字で書くので「ふたもじ」と言われていたそうだ。古人の心の優雅さを感じる。
「不許葷酒入山門」(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)という碑文を禅寺の山門でよく見かける。その「葷(くん)」とはユリ科ネギ属のことで、韮(にら)・葱(ねぎ)・大蒜(にんにく)などを注す。あまりにも滋養強壮に富む食材なので、禅僧の修行を妨げ、心を乱すというわけである。いまでは餃子に欠かせない健康野菜だ。そろそろ餃子でも作って貰い、猛暑バテを回復しなければ。
「水路には 手折るに待てと 韮の花」