山香(ヤマコウバシ)
葉を落とさないヤマコウバシの枯葉と冬芽
日本では雌木しか確認できないヤマコウバシ(参考画像)
返り咲きのウグイスカグラ
なんやかやと言いながらも用事を見付けては外出するように心掛けている。印刷完了の年賀状を近くのポストに投函すれば済むものを、わざわざ遠くの郵便局まで出しに行った。ポストの回収が1日1度と言うのも心許ない気がするからである。
行き帰りに季節の画像モチーフ探しもするのだが、返り咲きのウグイスカグラが目にとまっただけで、これといったものが見つからなかった。クヌギ系の植物がやっと葉を落とし、今なお残っているのはご存知ヤマコウバシである。このブログでも「春まで落ちない葉っぱ」ということで親孝行の木とか、受験生のお守りになるなどと紹介したことがある。同じ話もつまらないので観点を変えて紹介してみる。
ヤマコウバシはクスノキ科クロモジ属というから、香りが高いと言うことは想像できる。漢字も「山香」と表記されるぐらい葉に香気がある。日本では関東以西に自生し、台湾・朝鮮半島・中国からベトナム辺りまで分布しているらしい。外国でも食用や薬用として用いられているようだが、古名の山胡椒が食材だったと言うのはどうやら間違いらしい。
別名が地方によって異なり、たくさんあるのは生活に根ざしていた証だろう。薬用以外に細工物に利用されていた。別名としてはショウブノキ・サルスベリ・トリツケシバ・トリツケノキ・モチノキ・タマノキ・イヌタンバ・ショウガノキ・トロロギなどあるので、小鳥を捕る時に使われていたのだろうと想像できる。
「冬枯れの 山に孤高の 葉が揺れる」