火起こしと椿油搾り体験
古来の火起こし道具
火打ち石
点いた点いた
椿油がたらりたらりと
ひとくらクラブ例会として恒例になっている「椿油搾り」が時間を短縮して開催された。メンバーには油搾りのスペシャリストがおられるので、毎回彼のレクチャーを受けている。子どもたちに縄文時代で使われただろう火起こし体験をさせる。摩擦で熱を上げるのは出来るのだが、煙が出るまでには至らない。火を起こすのがそれほど大変だったことが伝わればいいのだ。歴史は下って火打ち石で点火する方法に辿り着いたので、その体験も子どもたちにさせる。炭化させた木綿布に火花を落として火種を作るのだが、なかなか火花が飛び散ってくれない。大人に手伝ってもらい落とした火花が、消えずに炭化布に拡がっていく様は、子どもの心に灯を点してくれたことだろう。
そんな体験をしている間に、ツバキの実を砕いて取り出した「仁」が蒸し上がってきた。油の専門家は発明家でもあるのだ。ジャッキを改良して手作り圧搾機まで作られる。子どもでも難なく絞れる優れものだ。綺麗な椿油が流れ出してくるまでのデモンストレーションだったが、日本古来の伝統文化伝承の火種になればと願っている。
「春の灯を 子らに伝える 火付け人」