熊谷草(クマガイソウ)
月一で計画される「北摂の山を楽しむ会」に参加してきた。準地元と言うべき隣町豊能町を起点とする妙見コースで、P444から妙見山を目指し、下山は初谷渓谷に下るという変化に富んだコースである。初谷渓谷では貴重植物が地元の方たちによって保護育成されているところである。お目当てはクマガイソウと世界で2例目に発見されたシロミノヤブムラサキの芽吹き確認である。
クマガイソウは初谷渓谷での配線工事現場に自生していたらしい。それを地元の人たちが何としても残したいと山林に移植された。気候風土が合ったのか立派に根付き、今では数を増やしている。ハイカーにも楽しんでもらおうとアプローチまで整備して、今年の開花を待っている状況だった。まだ蕾だったが、あと10日もすれば源氏の武将 熊谷 直実 が背負った母衣(ほろ)のような独特なラン科の花を咲かせてくれる。母衣とは竹で編んだ籠に布を覆い、背中に背負い敵の矢から身を守る防具のことである。ランの唇弁が丸くなっているのを武将の母衣に見立てて名付けられた。足繁く通い開花した様子を皆さんに紹介したい。
「春咲の 蘭を目指して 揚々と」