松葉蘭(マツバラン)
崖に自生するマツバラン
アオヤギバナの花殻
アオヤギバナ(参考画像)
ケイリュウタチツボスミレ
アケボノシュスラン(参考画像)
武庫川観察会の主目的は貴重植物との再会だった。昨年訪れたのが10月初旬だったので、目指す植物の全ては無理だろうとは思っていた。今回も岩場に慣れているメンバー数人が、崖を下って河原まで降り、アオヤギバナの黄花を探したが見つからなかった。辛うじて花殻を残すのみだった。アケボノシュスランは盗掘されたのか、姿形も確認できなかった。せめてツメレンゲぐらいは咲いているだろうと期待したが、僅かに痕跡を残すだけだった。常緑ザクラのリンボクは今年は余り咲かなかったようである。
辛うじて観察出来たのが常緑シダのマツバランである。人目に付かないので盗掘されることもなく残っていてくれた。今でこそ自生種は貴重だが、江戸時代には好んで鉢植えなどにされていたようで、典型的な古典園芸植物と言われている。仲間の説明では、垂れ下がる様子が蘭に似ているから名付けられたらしい。胞子嚢が平たい球茎というのが、花や実を連想させてくれるから好まれたのかも知れない。
岩の隙間に生えるケイリュウタチツボスミレを教えてもらえたのが、ロク的には今回の観察会での収穫だったかな。増水時に水没しても生きながらえるスミレの逞しさを、花の季節に確認してみたいものだ。
「小春日は 花はなくとも 吹く風に」