やっと福寿草(フクジュソウ)
今年何度目かの自生地訪問でやっとフクジュソウの開花しているのを確認できた。と言っても全体の2~3割程度だろうか。雲一つ無い晴れ渡った日を選ばなければ、これぞフクジュソウという姿に出会えない。花期は長いのだが陽を受けてから開きだし、夕刻には蕾のように閉じてしまう。それほど太陽の好きな植物である。夏のヒマワリに負けない好日性を持っているのだろう。
と言うのも旧暦の正月ぐらいに咲き出す花なので、めでたい正月の幸「福」と、願いでもある長「寿」を充てて福寿草という名前になった由来を持ち、まさに早春の花である。昆虫たちの姿もまばらな厳寒期に、少ない虫を呼び寄せる戦略として、パラボラアンテナ様に花弁を広げ、太陽光の熱を中心に集めている。虫たちに「ここは暖かいから寄っていらっしゃい~」という女将さん的サービスを提供している。
フクジュソウはキンポウゲ科で全草毒成分だが、根茎には強心と利尿の薬効があるようだ。でも劇薬なので民間の使用は禁止されている。日本全土に分布するが比較的寒冷地を好む植物である。西日本では限られた自生地しかなく、その数を減らす一方である。促成栽培された園芸種の方に馴染みがあるようだ。
「野の花の 春の妖精 一番手」