並べて観察🔍
カンサイタンポポ
セイヨウタンポポ
和洋タンポポの違い(左:カンサイタンポポ、右:セイヨウタンポポ)
舌状花の構造(参考画像)
星の瞳(オオイヌノフグリ)も帰化植物
カンサイタンポポが散歩道の土手や田んぼの傍で春の到来を告げてくれている。少し遅れてセイヨウタンポポも地面で匍匐していたのが頭花を持ち上げてきた。どちらかと言えば在来種のタンポポは春を代表する野の花である。一方セイヨウタンポポは殆ど年中花をつけ日本全国に勢力拡大を果たし、日本に自生する在来種タンポポ20種を駆逐しつつある。彼等のしたたかさに輪をかけるように気候変動が後押ししている。例えばカンサイタンポポが観察出来る処は、まだ都市化していないと言われ、環境指標植物の役割も担っている。
在来種タンポポとセイヨウタンポポの違い探しは、観察会での定番になっている。先ず両者を並べて観察して頂く。頭花を支える総苞が外側に反り返っているのがセイヨウタンポポの特徴で、在来種はいずれも反り返らずに頭花を支えている。
植物界で一番進化したと言われるキク科、その中のタンポポは、たくさんの花を一ヶ所に纏めた集合花である。花びらに見えているのが一つの花の構造を持っている。一枚の花びら状のものを「舌状花」と呼んでいる。ルーペで確認するとそれぞれがちゃんと雄しべも雌しべもついている。それらが受粉して綿帽子となり種を遠くへ飛ばす戦略がキク科の凄いところである。
そこで舌状花の数を比較するとカンサイタンポポは概ね80個ぐらいであった。ところがセイヨウタンポポは倍近くの花で構成されている。勝てるわけがない。侵略者に負けるなどと声を上げたくなる。
「タンポポは 何も知らずに 生きている」