黒瓜葉虫(クロウリハムシ)
前もって丸い溝を掘る「トレンチ行動」
美味しく食事中
ムラサキの果実
カラスウリの花を真夏の夜に我が家で観察したいと思い、ウリの種を蒔いたのがしっかり定着してしまい、今では邪魔者になるほどツルを周りの木に絡ませながら成長している。この植物は種以外でも子孫を残す戦略を持っている。垂れ下がったツル先が地面にたどり着くと、そこから新たに芽を出すという分布戦略を併せ持つ。ショウジョウバカマと同じような「挿し芽戦略」と表現しよう。
そのカラスウリのツルが伸びてきて手のひら大の葉を茂らせ始めた。その葉を食草にする数ミリの甲虫が今年もやってきて、葉を食べ始めている。以前にもブログ紹介したクロウリハムシという可愛い甲虫である。葉の端から食べ始めれば良いものを、わざわざ食べる個所にマーキングを施し、その部分を食べるという変わった行動をする。
調べてみると「トレンチ行動」と言われるもので、ウリ科植物は食害に遇うと、それ以上食べられないように「ククルビタミン」という苦み成分を、食害に遇っているところへ送り込む防御策を持っている。その苦みを遮断するために前もって丸い溝を掘って、美味しく頂くというクロウリハムシの驚くべき行動である。そんな観察を身近で続けている。
大切に育てている絶滅危惧種のムラサキは実を付けだした。白くなったのは今まで観察してきたが、出来立ての果実観察は初めてである。仲間に株分けしてあげたいと思うが、なかなか紫根を掘り出せない状況だから、種で増えれば良いと思うのだが。
「虫を観て マクワウリって 在ったよな」