狸豆(タヌキマメ)
何とか生き残ったムラサキ
タヌキマメが最盛期を迎えている。マメ科らしい蝶型花を咲かせるが、葉の形や全体の雰囲気から、どう見てもマメ科に見えない。褐色の萼が長毛に覆われているのがタヌキに見えるらしいところから名付けられた。花を正面から見てもタヌキっぽい。別名でネコマメとも呼ばれている。日当たりの良い野原に自生するのだが、まだ自生しているのを見かけたことがない。知人が高槻の鵜殿に自生していたのを育てられたのを譲り受けたのが、10年以上も前のことだった。当時から準絶滅危惧種だった。
タヌキマメは1年草だから花が終わればそれで途絶えてしまう。植木鉢に種を落とす筈だが勝手に芽を出してくれない。ちゃんと種を採取して翌年に種まきをしてやらないと駄目らしい。我が家では何もしなくっても毎年芽を出してくれる多年草しか育てられない。毎年「赤とんぼ」さんが発芽した苗をお裾分けして下さる。もともとは我が家から嫁入りさせたタヌキマメだったのだが。
夏の日照りで枯らしてしまった絶滅危惧種のムラサキだが、何とか生き残り再び芽を出してくれた。紫根が健在だったのだろう。これは絶やすことが出来ない。奈良の万葉植物園がムラサキを公開展示して人を呼び集めたぐらいの貴重種だから。
「絶滅を 拡げた戦火と 猛暑日が」