百合の木(ユリノキ)
ユリノキ並木
全国各地の公園に植栽されているユリノキも人気があるので、サークルでも観察対象として度々訪れている。30mほどの高木になるので花を身近で観察出来ない。ところが山田池公園では花を間近で観察出来る個体があるから重宝している。
ユリノキはモクレン科ユリノキ属で原産国は北米とされているが、手持ち図鑑では中国にも1種あるとのこと。明治9年頃、日本に渡来し新宿御苑に植栽されたのが最初らしい。明治40年にこの木の種子を全国に配り、公園樹として普及していった。マグノリア種としては果実が松笠状でかなり雰囲気が違うので、コブシのようなモクレン科とは思えないが、花の造りを上から覗くとまさにモクレン科だと納得させられる。
花はランプシェードのような雰囲気で、チューリップツリーと言われる如く、チューリップに似た花をたくさん付けてくれる。大正天皇が皇太子の頃、小石川植物園を訪ねたときに「ユリノキ」と命名したとされている。実際は学名のLiriodendron(リリオデンドロン)の直訳でもある。そんな綺麗な花からはたくさんの蜜が採れるようだ。また大木になるので、北米の原住民はそれをくり抜いてカヌーを作っていたらしい。別名で葉の形から「半纏木(はんてんぼく)」とも言われている。葉が展開する前の姿も可愛い。
通常花期が5月~6月なので、訪問時期を5月に設定したが、4月中旬に咲きだしているので、またまたトンボのメンバーに言い訳しなければならない。
「初夏の花 季節たがえて 早咲きに」