収穫前の草刈り
窓から見下ろす田んぼの持ち主には何時も感心している。先代の頃から大切にされてきた田んぼで、二親の姿を踏襲するような接し方をされている。田んぼが愛おしくってたまらないという風に見受けられる。あまりにも綺麗な田んぼだから、収穫できる米は特別な味がするのだろうと想像している。その農夫を “草刈りおじさん” と命名して尊敬の念で眺めている。
朝から扇風機のお世話になるほどの蒸し暑い夜明けだ。東の空はそれほど焼けていないが、西の空は夕焼けを彷彿させるほど赤く染まっている。この状態を朝焼けと呼んで良いのかどうか迷っている。基本的には太陽の昇る東の空が焼けるのを朝焼けと呼ぶ。朝焼けになれば雨が降ると言われているので、ひと雨欲しいという願望から朝焼けにこだわっている。
東雲(しののめ)とか曙(あけぼの)という表現が日本の朝を言い表わすのに適していると思うのだが、これだけ地球が沸騰すると言葉まで溶かしてしまいそうだ。辛うじて田んぼがある原風景の近場に住んでいるから、日本むかし話的雰囲気の余地が残っている。
「稲穂すら 感謝の気持ち 頭垂れ」