仙人草(センニンソウ)
今時珍しい稲架干し
鯛のあら煮とうしお汁
センニンソウの群落がよく目立つ。つる性植物で枝分かれして広がるので、周りの雑木などを覆うようにして花を咲かせる。一輪でも遜色はないのだが、たくさんの花が咲き乱れている様子こそセンニンソウの本来の姿だろう。
キンポウゲ科だから、4枚の花弁に見えているのは萼片で、花弁はなく、たくさんの雄しべと子房で構成されている。科の例に漏れず毒草で、汁液が肌に触れるとかぶれるので、安易に手折ったりしない方が良いだろう。民間での利用は推奨されていないが、神経痛やリューマチの薬として使われている。別名でウシノハコボレと言われているのは、牛でもセンニンソウを食べると歯が抜けてしまうと言うほどの有毒植物だという戒めだろう。他にウマクワズとも呼ばれている。
名前の由来は花後の果実が仙人の髭を思わせるところから付けられた。高山で出合うチングルマの花後を連想させてくれる。今では高山は夢のまた夢になってしまった。テレビで日本百低山が紹介されているが、それすらも行けなくなってしまった。昨日放映された関東の「大山」詣でも20年ぐらい前になるのかなと、懐かしんで観ていた。
散歩コースにある田んぼでは、刈り取った稲を天日で乾燥させておられた。ほとんど観られなくなってしまった日本の原風景が懐かしい。懐古をなつかしむ一日が、はからずも仙人の髭をなでるような報告になった。
「稲架掛ける 農夫の笑みに 白き花」