イヌウサギ

　来年の干支「卯」作りも最後の提供となった。兵庫県立「一庫公園」を拠点に活動する「ひとくらクラブ」の定例会である。このサークルは里山文化を後世に伝承しようと、独自のスキルを活かしながら運営されている。椿油絞りなどは椿の実集めから、「仁」を砕いて蒸し上げ、圧搾機で絞るまで、手作り感いっぱいである。絞った椿油で山菜の天ぷらを揚げるなど、他では経験出来ない贅沢も味わった。年末には注連縄作りも控えている。
　干支工作も恒例行事になり、どんな干支が出来上るのか、皆さんは興味津々である。予め参加人数を伺っていたので、必要数のキットを準備して赴く。見本を見せるだけで「可愛い！」との声が飛び交う。見本よりも素晴らしいウサギを作って下さいと、手順を説明しながら作って頂く。3人の子どもたちは手早く作ってくれる。基本的には可愛いウサギになるはずだが、へそ曲がりな御仁は赤い動眼を前面に貼り付けられたので、まるでイヌの雰囲気になってしまった。イヌウサギというアニメの世界に笑い声が響く。
　出来上った作品に「わたしのが一番可愛い！」とご満悦である。写真でもその雰囲気を感じ取って貰えるだろう。

「16人　師走半ばを　干支で締め」