ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

樒(シキミ)と深山樒

                  シキミ

                 ミヤマシキミ

                 シデコブシ


 シキミは「悪しき実」からの転訛だと言うことはよく知られている。昔からハカバナやハナノキとの別名を持つのは、墓前に供えられてきたからである。その昔には、土葬した墓地をオオカミなどから荒らされないように有毒のシキミを植えたり、枝を周りにさしたりしていたらしい。今でもその名残から仏前に用いられている。神域との結界に使われているのを見かけることもある。実の形が中華料理に使う八角に似ているので、食品と間違って使った多数のドイツ人が中毒を起こした。日本からトウシキミの実と間違って輸出したという苦い経験をもっている。樹皮や葉には芳香があるのでマッコウノキと呼ばれて線香や抹香材料として使われる。
 一昨日登った三郎ヶ岳頂上付近にミヤマシキミの群生があり、蕾をたくさん付けていた。間もなくジンチョウゲに似た花を咲かせ、秋には赤く熟した実が山に彩りを添えてくれる。「樒」となっているのでシキミ科かなと思うが、こちらはミカン科で全くの別物である。枝と葉がシキミに似ているからと安易に付けられた名前で、山奥に自生するので深山を冠されている。それにしても「深山」を冠される植物の何と多いことか。手持ちの山渓ハンディ図鑑「山に咲く花」編にはミヤマアオスゲからミヤマヨメナまで38種、「樹に咲く花」編ではミヤマアオダモからミヤマレンゲまで48種を数える。
 縁起物植物としてミヤマシキミは「億両」と呼ばれるようになったのは最近のことである。山奥に自生するところから「奥」と「億」をかけた遊び心である。因みに「百万両」はピラカンサを充てているようだ。


「山上に 住まい在りきか 花樒」

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