熊野水木(クマノミズキ)
既に結実しかけていたクマノミズキ
イケマの蕾も
鉄道駅までバスで移動する時など、山の斜面の高木に白い花の塊が眼に付く。妻からなんの花?と尋ねられるので、たぶんクマノミズキだろうと応えておいた。たぶん間違いはないと思うのだが、樹の傍まで近寄って確認しないと確かな答にはならない。そんなことを思いながら白い花の正体探しに歩いてみた。花期こそ過ぎているが、紛れもなくクマノミズキだったので胸をなで下ろした。
クマノミズキは世界遺産に登録されている三重県の熊野に産するミズキと言うことで「熊野」を冠している。名前から日本特産種かと思うが、大陸のヒマラヤ辺りまで分布するミズキ科の高木である。マイ図鑑ではミズキと同じミズキ属になっているが、新たにサンシュユ属に再分類された。ミズキとクマノミズキの違いを見分けるのに、前者は互生で、後者は対生である。同じ属ではないとして再分類されたのは当然のことだろう。
クマノミズキは薪炭材や染料として使われていたようである。今でも炭として加工しているのなら一度使ってみたいものだ。能勢ではクヌギで作る「菊炭」があまりにも有名なので「クマ炭」のはいる余地がないのかも知れない。「クマ炭」なんてネーミングの発案者は言わずと知れたロクである。「菊炭」は茶の湯用、ワイルドに「クマ炭」はバーベキュー用としたら新たな販路が拡がると思うのだが。
「ビール断ち 炭火の煙 目にしみる」