白粉花(オシロイバナ)
黄色、赤色、混色まであるが白花もある
イチジクらしくなってきた
子どもの頃から馴染みのあるオシロイバナである。女の子が果実の中のおしろいで遊んでいたのを思い出す。本当に白粉(おしろい)の代用として使っていたのかな。それが命名の由来になっている。命名者は牧野富太郎にあらず、江戸時代の貝原益軒。別名でユウゲショウとも言われているので、江戸時代の夜の蝶たちに使用されていたのかも知れない。
オシロイバナは一年生草本だが、その場に黒い果実を落とすので、多年草のように同じ場所で花を咲かせてくれる。沖縄や伊豆諸島などの暖地では多年草らしい。黒い果実の胚乳が白粉質になっている。熱帯アメリカ原産で日本へは元禄の頃までに渡来してきた。英名でfour o'clock と言われるように午後4時頃に開花して、翌朝には閉じてしまうとされているが、実際は9時頃まで咲き残っている。日中は多彩な色で昆虫を招き寄せ、夜には香りで虫を惹きつける二刀流戦略を併せ持っている。
白粉状の胚乳を水で濡らして、吹き出物やニキビに塗ると薬効があるとのことだが、遠い昔を懐古するだけである。塊根には強い利尿作用がある。どちらも必要はないが、色とりどりの花は、何故か昭和の良き時代を彷彿させてくれる。因みに9月20日の誕生花が白粉花になっている。
我が家のイチジクが少し口に紅を差してきた。あと少しで食べられるようになるかな?
「白粉花 紅き唇 走馬灯」