似たもの同士
ヨメナ2枚とノコンギク
コセンダングサ(センダングサやアメリカセンダングサもある)
サクラタデ(タデの仲間もたくさんある)
分解したタンポポの舌状花117(参考画像)
植物の観察会で似たもの同士が咲いているのに出くわす。秋の野菊で代表格とも言うべきノコンギクとヨメナである。淡紫色の花姿は、ぱっと見では区別がつかないほどよく似ている。野菊で一括りにしてしまえばそれで済む話だが、自然観察を謳っているサークルとしては、ちゃんと同定出来なければ看板倒れになってしまう。両者以外にヤマジノギクという似たものが存在するので、更にややこしくなる。ただ自生地が山の草原や岩場に限られるので、普段目にすることはない。
キク科の花は最も進化した花で、一つの花に見えている頭花は、舌状花、あるいは筒状花、両者を併せ持つ集合体で構成されている。例えばタンポポは舌状花で構成され、花びらに見えている一枚が雄しべ雌しべを持つ花になっている。分解して数えたことがあるが117の花の集合体だった。
さてノコンギクとヨメナの違いだが、ヨメナは春の山菜にされるぐらいだから、葉が柔らかくすべすべしている。一方、ノコンギクの葉はざらついているので、それだけでも違いを見比べることが出来る。さらに花びら状の舌状花を引き抜いて観察すると、冠毛の長さでも見分けることが出来る。長くて目立つのがノコンギクである。
サークル仲間の「歩く植物図鑑」と言われる女史によると、ヨメナは花茎に一つの頭花だが、ノコンギクは複数の頭花をつけているのも、一つの目安になると教えて頂いた。
夏にはセンニンソウとボタンヅルなどの似たもの同士があったり、エノコログサのようにたくさんの種類があったりするので、観察会は何時も気が抜けない楽しさがある。
「似たものは 野菊に負けない 爺と婆」