時機を逸した棗(ナツメ)
少し萎んで来たナツメ
若いナツメ(参考画像)
アキノキリンソウとノコンギク
穏やかな日射しが降り注ぐ午前中に歩くことにした。しばらく散歩していなかったので、三草山麓まで足を伸ばした。途中の田んぼには周りを囲むようにして、ナツメが植えられている。居合わせた農家の方と話をすると、ナツメ果実を道の駅に出荷されているらしい。家の近くにある道の駅だからよく利用するし、妻も観光ボランティアとして詰めているのだが、今までナツメが並んでいたのを見たことがない。ナツメなどというのは農家の庭先に植えられている位で、昔は子どものおやつぐらいに利用されるものだと思っていた。柿とか無花果が植えられているように。
ナツメは ♪あのこはだあれ♪ の歌詞に出てくるぐらい生活に溶け込んできた果物である。手近な果物や薬草として利用されてきたのだろう。青い実を囓った子どもの頃の思い出が甦るが、熟れた実はリンゴのように甘くて美味しい。昨年も近くにあるナツメを散歩途中で味見していた。ところが今年は既に時機を逃してしまい、食べられる状態ではなかった。
9月までは残暑で余り散歩に出掛けられなかった。その間に植物たちは休むことなく営みを続けていたのだ。辛うじて枝に残った2~3粒を頂いたが昭和の味がした。
ノコンギクやアキノキリンソウが里山を彩っている。残り少ない秋を楽しみたい。日本の四季がなくなりそうだからなおさらである。
「棗の実 赤くも青くも 母の味」