ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

奈良八重桜に思いを馳せて

       赤とんぼさん手作り「サクラういろう」を頂く幸せ


 「いにしえの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな」の詠み人は伊勢大輔(いせのたいふ)で、歌をそらんじている方も多いことだろう。
 サークルで何度も奈良を訪ねているが、ナラノヤエザクラに関しては、今が見頃という時期に出会わせたことがなかった。昨日やっと念願を果たせた感じで「奈良八重桜」の全てを観察することが出来た。
 さて、ナラノヤエザクラだが、奈良に咲く八重桜という類いではなく、固有種の名前で、原木は枯死してしまったが天然記念物に指定されている。奈良県の県花に指定され、奈良市の紋章にもなっている桜の品種である。
 特徴は一般的な八重桜と異なり、清楚な感じの花で、蕾から開花直前までは濃いピンク色で、花が開くと白くなり、散る間際には再びピンク色になる。八重咲きの花は実を結ばないと言われているが、ナラノヤエザクラは雌しべが1~3個付いており、ちゃんとサクランボが出来るという変わり種である。既に花を落としてしまった九重桜も、同じように結実することが注目されている。その結実振りを皆さんで観察して貰い、ハート型の合着サクランボなどに興味津々だった。
 里桜仲間の御衣黃、八重紅枝垂、関山、楊貴妃などの観察、シカもサクラ大好きで、桜にもディアーラインが形成されることなど、シカにまつわる悲しい歴史も含めて、幅広いトンボのメガネ観察会になった。


「八重桜 訪ね奈良まで 各地から」

野草料理の集い

               前日のワラビ摘み


 救援会支部で恒例になった「野草料理の集い」は年々盛大になり、今年も支部役員や30人余りの参加者に喜ばれた。でも実質的に山野草集めなどを一手に任された僕は、この一週間余りは、気持ちと行動の全てを18日に注がなければならなかった。
 別荘のお庭を拝借しての集いは今回で3度目になる。今年は泊まり掛けで来られた方たちを含めて、前日に野草摘みもして貰い、ある程度「参加型の野草料理」という進化した集いになったようだ。土手に生える摘み草の楽しみも経験して頂けた。特に出だしたばかりのワラビ摘みに心を奪われて、別荘からかなり遠くまで足を伸ばされ、帰りは車で迎えに来て貰うと言う始末である。
 昨日、提供出来た山野草はアカメガシワ・ビワ新芽・ユキノシタ・ヤブツバキ・タラの芽・コシアブラ・ハリギリ・タカノツメ・ノビル・ヨモギ・ドクダミ・セリ根・タンポポ・クズ・カキノキ・カキドウシ・ナンテンハギ・サンキライ・シュンラン・ニリンソウ・クワ・ワラビの22種類だった。事前に届けられたタケノコも天ぷら用に薄味で煮付けて置いたのだが、冷蔵庫内からタッパーを出すのを忘れてしまった。宴の終了間近にヨモギのパンケーキを焼いて頂いたが、クロモジ茶と併せてすこぶる好評だった。
 集いのサプライズは、今なおフォークソングを歌い続けておられるプロのミュージシャンのご夫婦が2曲を歌って下さった。往年のフアンだった方は思わぬサプライズに感動されたようである。昨年に引き続き川柳の講師が参加者から集めた作品の添削して、にわか川柳教室で盛り上げて下さった。皆さんから喜ばれて今までの苦労が吹き飛んだ。


「ウグイスも 野草欲しいと 囀りて」

采振木(ザイフリボク)

            たぶん在来のザイフリボクと同定

            クロモジのお茶パックと房楊枝

                 玉の浦が落花


 今日に間に合わすための山菜集めに歩いている時に、思わぬ処に自生しているザイフリボクを見付けた。家から2~3分という近さである。急いでデジカメを取りに帰り画像に収めておいた。在ったことを忘れてしまうからである。
 ザイフリボクは別名でシデザクラとも呼ばれるバラ科の落葉高木で、10m前後まで成長する。原産地は日本の中部以南で四国、九州まで分布している。アメリカザイフリボクとの違いを実際に観察していないので、図鑑による知識だけである。在来ザイフリボクならめったにお目にかかれないので嬉しいのだが。日本のザイフリボク属はこれ1種しかない。
 生け花、茶花などに好んで用いられているので、枝を持って帰りたいが、結実した様子も観察したいので、そっと内緒にしておきたい。
 今日の野草料理に集いでクロモジ茶を提供したいので、小枝を刻んでお茶パックを用意しておいた。クロモジは高級和菓子の楊枝としてお馴染みだが、今回は江戸時代から利用されてきた房楊枝の見本も作ってみた。ルーツを辿れば1300年前からの歯磨き文化にも行き着くので、光る君への世界にタイムスリップをして頂けるかも知れない。


「山野菜 采振るすがた 山笑い」

ニリンソウなど

             ニリンソウとコゴミ群生地

           ナンテンハギ(フタバハギ)の若葉

               届けられたタケノコ


 気持ちと行動の全てが18日の野草料理の準備に奪われている。主催者の殆どが素人集団なので、どうしてもお鉢が僕一人に廻ってくる。シニア自然大学校の研究科や、サークル「トンボのメガネ」でも野草料理を提供したことがあるが、自然に関わろうとしている仲間たちだから、みんなで材料集めなどを分担できた。
 18日も自然の恵みを皆さんで味わって頂きたい。特に「こんなものが食べられるの!」という驚きと感動も与えたい。山菜の定番としてのタラの芽やコシアブラは言うに及ばず、毎年新しい山野草を提供してきた。今年、目を付けたのがニリンソウとナンテンハギである。特にニリンソウの葉は猛毒のトリカブトとそっくりなので、花の咲くのを確認してからでなければ手を出せない。毎年花の咲くのを楽しみに通っている場所があるので、間違いなくニリンソウだと同定できる。ヤマトリカブトとニリンソウはどちらもキンポウゲ科で、自生地も同じように湿り気のある山地を好むので、誤食の間違いが後を絶たないようである。
 僕的にはニリンソウはスプリング・エフェメラルの仲間に加えているので、今まで採取を控えてきた経緯がある。でも根茎を張り巡らせて群生を作ってくれる多年草だから、葉を摘むぐらいは大目にみてもらえるだろうと、心を鬼にして皆さんへのサプライズとしたい。
 ナンテンハギも別名をアズキナと言われるぐらい美味しい山菜で、地方によっては栽培までされているとのこと。たぶん皆さんには初めての山菜になることだろう。
 早速地域の知り合いから堀立のタケノコが届けられた。今年は豊作らしい。下味を付けて天ぷらにすれば、旬を味わって貰うことが出来る。材料はほぼ揃った。


「花残し 葉だけ失敬 二輪草」

玉の浦が咲いた!

                 灰汁抜き中

             鮮度抜群の朝堀のタケノコ


 頂いたツバキの幼木に蕾をふたつ付けていた玉の浦だが、念願叶ってやっと開花してくれた。目も覚めるような覆輪の爪白花弁にはなっていないが、ヤブツバキの雰囲気を残しながらも、玉の浦らしさを醸し出して開花している。五島出身の彼に「覆輪が出ていない」と言うと、未だ苗木に花を咲けせる力がないので「蕾を摘んで幼木を育てるようにしなさい」との指導を受ける。せっかく咲いた花と蕾を摘んでしまうのはもったいないので、今年は花を楽しんで、来年に向けてしっかり育てようとツバキに約束した。
 山菜集めに近くを散歩するが、ワラビぐらいしか目に入らない。摘んで帰るが18日まで保たないので我が家で消費してしまう。知人から立派な朝堀のタケノコが灰汁抜き用の糠まで添えて届けられた。鮮度が勝負なので先端部分だけを刺身で頂くことにする。殆ど灰汁もない初物としてありがたく頂いた。残りは薄味仕立ての土佐煮で頂く。何と美味しいことか。
 昨日は区内の老人会があり、初めて参加してさせて貰った。干支工作などで地元の方々との交流が出来ているので、初参加の壁を感じることなく受け入れて頂いた。旧村の方ばかりで、新興住宅からの参加者は僕一人だけだった。新興住宅にお住まいのお年寄りに問い合わせると、案内も届いていないとのことだった。
 道の駅へ出荷する際の規格外野菜を届けてくれる知人が、タケノコが出てきたので届けると嬉しいことを言ってくれる。出来れば18日までにお願いします!と甘えてしまうほどの付き合いが旧村の方々と出来ている。この繋がりを大切にしたい。


「筍を 旬と表わす 気持ち知り」