ロクさんのアクティブライフのブログ

自然観察を通してのシニアの元気報告を575に託してお届けします。

自然観察を中心に、アクティブに活動している様を、
写真とコメントを交えて俳句にまとめています。
毎日発信でシニアの元気報告になっています。

蓮と睡蓮と昆虫

              昆虫博士:藤崎先生

            驚異の進化:甲殻類から昆虫に!


 来月初めにトンボのメガネ例会でハス観察会を計画しているが、今年は異常気象で例年よりも開花が早まっている。年間計画として企画しているので予定が変えられない。昨日も下見で、朝から肌を刺す陽射しの中、長居植物園にハスの開花状態を確認して来た。先日の豪雨でハスが水没し、泥を被った様子が生々しく残っている。それに負けずに元気よく花を咲かせているが、8月まではもたないようである。スイレンは浮草で葉を水面に漂わせているので、豪雨の被害をあまり受けなかったように見受けられる。本番時にどうなっているかお楽しみに。
 午後からは地球環境自然学の講義で、京大名誉教授の藤崎憲治先生の「昆虫ミニティクス:驚異の生理・形態・生態から学ぶ」だった。昆虫少年がそのまま進化せずに大人になったような方で、昆虫の生態など話される時には如何にも楽しげな雰囲気で、ついついこちらまでが昆虫童子になってしまう。何の対価も求めずに研究された結果が、今日の科学に大きく寄与している話には、ただただ頭が下がるばかりだ。


「白蓮の 紅注すほどに なお白く」

桔梗

              開花直前のキキョウ

          北海道アポイ岳に自生するアポイギキョウ

              秋先取りのカワラナデシコ


 最近は野原であまり見かけなくなったキキョウが咲き出している。秋の七草だが7月頃から咲き出すので、夏の花のイメージが強いが、秋を一番に感じさせてくれる花色である。もちろん季語は秋である。加賀千代女の句に「桔梗の花 咲く時ぽんと 言ひそうな」と云うのがあり、開花前の形が風船のように膨らんでいる様子を詠んだ句である。同じ様にカワラナデシコもこの時期には咲いている。キキョウは昔から好まれていたので家紋などにも使われている。和歌に詠み込まれたり、日本画のモチーフとしても好まれている。万葉集に登場する「朝貌」はムクゲ説、キキョウ説に分かれたが、キキョウと云う事に収まった。
 韓国では桔梗の根を食用にするらしいが、咳・痰の生薬になるので日本では大量に中国・韓国から生薬「桔梗根」を輸入している。手折ると乳白色の液が出るがウルシかぶれに効くらしい。
 変わったところでは、蟻が花をかじると、花が持つアントシアニンに蟻酸が反応して赤くなるらしい。それを古来の人は「蟻の火吹き」と言ったらしい。一度観てみたい現象だ。


「紅くなる 桔梗の妙に 出合いたし」

お辞儀草

       刺激が加わると葉を閉じるオジギソウ(上・下比較)

         グアムで観たオジギソウの花(参考画像)

                仲間のネムノキ


 含羞草とも表記されるオジギソウです。マメ科でネムノキと同じように夜間に就眠活動をすることで知られています。こちらは手で触れるだけで葉を閉じてしまいます。接触以外に熱・風・振動などの外的刺激が加わると葉を閉じます。その戦略は何だろうと研究されていますが、捕食者から身を守るためかなと考えられています。植物の戦略などについては人間が勝手に考える事だから、本当の意味までは図り知れないものです。
 この植物を野生で観たのは、一昨年末に訪れたグアムのジャングルです。ブラジル原産の多年生植物ですが、世界中に帰化して広まっています。日本では一年草として育てられています。環境が合わないのか多年草として定着出来ないようです。実際に手で触ってみると直ぐに葉を閉じます。それが20分ぐらいでまた開くようです。かなりのエネルギーを使いそうなので、ほどほどにしてやらないとくたばってしまいそうです。


「寝苦しや 熟睡できたか 合歓の花」

百合三昧

                 コオニユリ

          花の色が赤鬼を連想するところからオニユリ

            京都では絶滅危惧種のヤマユリ

               オオゴンオニユリ

                 ウバユリ

               百合に魅せられた人

               百合の香に酔う人


 妻は百合の花が好きなので、道の駅で見付けたら必ずと言っていいほど買って来る。カサブランカなどは香りが強すぎるが、総じて百合は良い香りがするので花と共に楽しめる。蕾が次から次へと開いてくれるので、切り花としては経済的な花で、我が家の定番になっている。京都植物園でもオニユリや珍しいオオゴンオニユリ、更に絶滅危惧種になりかけのヤマユリなどが咲いているので、園内マップで探しながら余すことなく観てきた。百合類は薬用、食用になることは先日のササユリの時に紹介した。今回は画像で旬のユリを紹介したい。ここでは自生種が沢山揃えられているので嬉しい。
 昨日は坪内稔典先生の俳句教室。お題は「夏の朝」と自由句を宿題に出されていたので、提出されたそれぞれ19句の投票からスタート。和気あいあいで笑い声の絶えない句会になった。次回の宿題は夏から秋への20句を持って行かなければならない。兎に角作ろうと言うのが先生の指導方針だ。課題「夏の朝」では「夏の朝寝起きにそっとお茶とキス」と云う日常を詠んだ句を提出した。さて反応は?


「百合の花 予期せぬ豪雨 静まれと」

時計草

             受粉前の元気なトケイソウ

              受粉を終えたトケイソウ

           比較して下さい!(使用前と使用後)

         娘夫婦から届いた奄美のパッションフルーツ


 何とも言い得て妙なトケイソウです。ツル性植物で、いっとき好まれて垣根などに植えられましたが、繁茂し過ぎるので最近ではあまり見かけなくなりました。パッションフラワーの方が馴染みがあるかも。トロピカルなパッションフルーツもこの仲間です。日本には1723年に渡来してきたようです。特徴ある花姿が受けたのか、キリスト教伝道のために入って来たのか?・・・と云うものパッションとは「受難」を意味します。雌しべの柱頭が張り付けられた十字架で、雌しべが釘で、花弁と萼が10人の使徒で、巻きひげが鞭だと言うのです。従ってパッションフラワーは「受難の花」として布教活動にも利用されたようです。観察していて気が付いたのは、受粉が終わると雄しべの葯が裏返ってしまう事です。アジサイの飾り花が役目を終えると、裏返るのとよく似ています。トケイソウの意味でも、パッションフラワーの謂われでも興味の尽きない花です。
 じつは7月10日は結婚何十周年目だったのです。何処かに連れて行ってと云われたので、ロクの得意分野でもある京都府立植物園にしました。安上がりで可笑しな記念日行事で、時計草はそんなメモリアル日にとっておきの植物でした。


「絶え忍び 辛抱したねと 時計草」